初恋グラフィティ
また顔をにやけさせていると、
私達の前に立っていたカップルがふとこちらを向いた。
「あれ…、志保…?」
見ると帽子をかぶっていた女性はみぽりんで、隣にいた男性は柏田先生だった。
「へー。何か志保とはよく会うよねー」
みぽりんはそう言いながら微笑むと、ユキちゃんに目をやってから再び私の方を見た。
「もしかして志保、香田くんと付き合えることになったんだ…?」
「えっ…?」
私はあわてて首を横に振った。
「いえ…、あの…、ユキちゃんとはまだ付き合ってるとかそんなんじゃなくて…」
「あら、別に隠さなくていいのよ…?よかったじゃない」
みぽりんが私をからかうと、ユキちゃんが私の右手を握って言った。
「そうだよ、志保…。俺達今日から付き合うことにしたじゃん」
「えっ…?!」