初恋グラフィティ

ユキちゃんの冗談なのか本気なのかよくわからない言葉に驚いていると、




「へー、それはおめでとう」




みぽりんがにっこり笑った。




するとユキちゃんは私の手を引いて、なぜか長蛇の列を離れた。




「行こう」


「え…?」




ユキちゃんは私を連れて、どんどん前へ歩いて行く。




「ちょっ…、ユキちゃん…?」


「……」


「映画、見なくていいの…?」


「……」




ユキちゃんは無言のままとにかく歩き続けた。






…どれくらい歩いただろう。



気がつくと、私達は人通りの少ないところまで来ていた。




辺りを見回すと、そこはなぜかホテル街。







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