初恋グラフィティ

私は財布からお金を出そうとしているユキちゃんに向かって言った。




「ユキちゃん…」


「ん…?」


「私だったら別に構わないよ…」


「え…?」




ユキちゃんがこっちを向いた。




私は唾を飲み込むと、覚悟を決めて言った。




「こないだも言ったけど…、私、ホントにユキちゃんのことが好きなの…。だから私なんかがみぽりんの代わりになるんなら、抱いてくれていいよ…?」


「志保…?」




ユキちゃんが眉をひそめたのがわかったけど、私は再び口を開いていた。




「確かに私じゃ役不足かもしれない…。けど、ユキちゃんのためなら何でもしてあげたいって思ってるのは事実だから…」




自分からこんなことを言うのはやっぱり恥ずかしかった。



「だから…、だからね…」




でも私全部で彼を受け止めてあげたかった。




「抱いて…?」




…そうでも言ってあげなきゃ、もうユキちゃんの心が壊れちゃうような気がしていた。






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