初恋グラフィティ
09 悪夢再び
月曜日の昼休み。
私は音楽室でキーコとみぽりんとお弁当を食べていた。
「実はふたりに報告があって…」
私がそう切り出すと、すかさずみぽりんが言った。
「まさか香田くんに振られたとか言う…?」
それに対しキーコも
「うそ…。おととい私があんなに後押ししてあげたっていうのに…?」
とか言う。
「ちょっと…、ふたりして勝手に決めつけないでくれる…?」
私はゴホンと咳払いをし、得意げに続けた。
「実は長年の恋が実って、とうとうユキちゃんと付き合えることになりました…!」
「うそー、マジでー?!」
驚くキーコに、みぽりんもあらよかったじゃないと微笑んだ。
土曜日にユキちゃんの部屋で起きたことを話すと、
「そっか、よかったじゃん…。それじゃ志保の恋愛成就を祝って乾杯でもしますか」
キーコはそう言って、マグボトルを持ち上げた。
「かんぱーい!」
「ありがと」
私もペットボトルを高く持ち上げた。