初恋グラフィティ

「ここにふたりで来たってことは…、そっか、やっぱり実穂は志保ちゃんとこの先生だったんだ」


「そうね」


「へー、それは奇遇だな…。あ、君達も飲む…?」




恭平さんがそう言うと、急にみぽりんが怒り出した。




「あんたねー、志保はまだ未成年なのよ…?やめてよね、そういうバカなこと言うの…!」


「はいはい…。どうせお前も車なんだろ…?」




恭平さんは台所からウーロン茶のペットボトルを持ってきて、それをグラスと一緒にテーブルの上に置いた。




「…で、今日は一体何の用?」




恭平さんがたずねると、みぽりんが彼をにらみ出した。




「単刀直入に言うわ」


「何?」


「あんた、志保に乱暴したんだって…?」


「え…?」




一瞬恭平さんが固まった。




「何…、志保ちゃん、実穂に俺達のこと話したの…?」




恭平さんの視線がこっちに向けられる。




するとみぽりんが立ち上がり、彼の胸ぐらをつかむと、その頬を平手で殴った。



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