初恋グラフィティ
私が困惑していると、すかさずみぽりんが口を開いた。
「恭平…、あんた少しは人の気持ち考えてものを言ってくれる…?」
「は…?考えてるじゃん」
恭平さんが反論した。
「全然考えてないって…!志保が好きなのはあんたじゃなくて香田くんなんだよ…?せっかく香田くんと付き合えることになったのに、あんたの子なんて産めるわけないでしょーが…!」
「何…、志保ちゃん、幸男と付き合えることになったの…?」
恭平さんにそう聞かれ、私は再度うなずいた。
「そっか…。それで最近俺んとこに来てくれなかったんだ…」
苦笑いした恭平さんに、みぽりんがため息をついた。
「そういうわけだから志保はあんたの子なんて産めないの…。残念だけど志保には中絶させるから、あんたはその費用だけ工面してくれる…?」
「中絶…?」
みぽりんの言葉に、恭平さんが顔をしかめた。
「そうよ。だってそれしかないでしょ…?」
「中絶って…、お前…、そう簡単に言うけどさ…」
「何?」
「そんなら腹ん中の子はどうなるんだよ…?」
「え…?」
「腹ん中の子にだって、生きる権利はあるはずだろ…?」
恭平さんの言葉に、今度はみぽりんが顔を強張らせた。
「な…、何…?いきなり…」