初恋グラフィティ
口をつぐんだみぽりんに、恭平さんは大きなため息をついた。
彼は台所へ移動すると、換気扇の下でタバコを吸いながら、今度は私の方を向いて言った。
「志保ちゃんさ…、君…、ホントに子ども産めよ」
「え…?」
恭平さんは煙をひとつ吐いて言った。
「正直言うと俺…、初めて会ったときから君のこといいなって思ってたんだ…」
「えっ…」
それは私が男の人から受けた、人生初の告白だった。
「だから君と関係を持てたときはマジで嬉しかったんだけど…、ごめんな…、こんなことになっちゃって…」
恭平さんは苦笑した。
戸惑いと息苦しさを感じながら、私は黙って彼の話を聞いていた。