初恋グラフィティ
11 つわりが招いた悲劇
翌朝。
目が覚めてすぐブラインドの隙間から外を覗くと、辺りは一面真っ白だった。
何だか寒気がするし、体も熱かったので体温を測ると、少し熱があるようだった。
きのう雪にあたったせいかなと思いながら、母に頼んで学校を休ませてもらうことにした。
午前中ゆっくり寝ていたら午後には熱も下がって、いくらか体が楽になっていた。
夕方になるとキーコが授業で配られたプリントとノートのコピーを持ってきてくれたので、部屋に上がってもらうことにした。
「わざわざごめんね…」
キーコにお礼を言うと、
「別に気にしなくていいよ。うちらの仲なんだし」
そう彼女は謙遜した。
「テスト前の大事な時期なのに、もし風邪うつしちゃったらごめんね」
「大丈夫。私はあんたと違って普段から勉強してるから」
「あは…、そうだったね」
私達はそんな会話をしながら笑った。