初恋グラフィティ
そしてやってきた土曜日の午後。
バス通りまで出るとユキちゃんが車で迎えに来てくれたので、私は助手席に乗って、彼のアパートへ向かった。
…けど、
ユキちゃんの車はいつもより揺れてる感じがして、降りたときには何だか吐き気がした。
「大丈夫…?荷物持つよ」
よろける私からユキちゃんがバッグを取った。
「あ…、ありがと…」
私は吐き気をこらえながら何とか階段を上り、ユキちゃんの部屋のドアを開けた。
部屋に入るやいなや座って体を楽にしてみたけど、気持ち悪さはなかなか消えない。
「ごめん…。今日ちょっと体調悪いみたい…」
私は押入れから敷きぶとんと毛布を取り出すと、そこで少し横になった。
「大丈夫…?」
ユキちゃんが私の顔を心配そうに見下ろした。
「うん…、どうしたんだろ…」
「風邪?」
「うーん…」
…そのときだった。