初恋グラフィティ

深呼吸をして脂汗を拭くと、私は明るくつとめながらトイレから出た。




「ごめんね…。何かちょっと食べ過ぎたみたい…」


「大丈夫…?」




ユキちゃんは心配そうな顔をしていたけど、私がたぶんねと作り笑いすると、


そっかと言いながら奥へ戻って行った。






…よかった。


何も疑われてないみたい…。






ほっとしつつうがいと手洗いをしていると、


再びユキちゃんが戻って来て、後ろから私に抱きついてきた。




「志保、会いたかったよー」


「ちょっ…、ユキちゃん…?!」




ユキちゃんは子供みたいに私にからんで、私の頬にキスをすると、ニットの下に手を入れてきた。



< 180 / 393 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop