初恋グラフィティ
深呼吸をして脂汗を拭くと、私は明るくつとめながらトイレから出た。
「ごめんね…。何かちょっと食べ過ぎたみたい…」
「大丈夫…?」
ユキちゃんは心配そうな顔をしていたけど、私がたぶんねと作り笑いすると、
そっかと言いながら奥へ戻って行った。
…よかった。
何も疑われてないみたい…。
ほっとしつつうがいと手洗いをしていると、
再びユキちゃんが戻って来て、後ろから私に抱きついてきた。
「志保、会いたかったよー」
「ちょっ…、ユキちゃん…?!」
ユキちゃんは子供みたいに私にからんで、私の頬にキスをすると、ニットの下に手を入れてきた。