初恋グラフィティ
「ごめんなさいっ…!」
私は握っていた写真を恭平さんに突っ返すと、荷物を持って急いで外に出た。
それからユキちゃんの車を探してみたけど、彼は私を置いて先に帰ってしまったみたいで、見慣れた車はどこにもなかった。
ユキちゃんに電話もしてみたけど、彼の携帯は留守電につながるだけで、本人とは全く連絡が取れなかった。
『初恋は実らない』っていうのは、やっぱりホントだったのかな…。
私は仕方なくバスで帰宅することにした。
バスの窓から見る風景は幸せそうな人々であふれていて、
クリスマス用に彩られたイルミネーションは涙でにじんでよく見えなかった。