初恋グラフィティ

家の前に着き、恭平さんの車を降りたとき。


私は隣の家から出てきたユキちゃんと鉢合わせしてしまった。




「志保…」




ユキちゃんは驚いたように目を見開いている。




「ユキちゃん…」




それはこっちも同じだった。






ユキちゃんは恭平さんの車が走り去るのを見て言った。




「そっか…。早速恭平と仲良くしてたんだ…。よかったじゃん」


「……」




私は何も返せなかった。






するとユキちゃんはじゃあなと言って、ガレージに停めてあった車に乗り込もうとした。




「あ…」




私は今を逃したらもうユキちゃんに会えないような気がして、つい彼に叫んでいた。




「待って、ユキちゃん…!」




「え…?」




私の言葉に、ユキちゃんが振り向いた。



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