初恋グラフィティ
それをユキちゃんにたずねると、彼は伏し目がちにうなずいた。
「うん…。あいつの母さんの話は俺も前から聞いててさ…。何とかならないかなって思ってたんだけど、やっぱダメみたいだからさ…」
「…そうだったんだ」
やっぱりユキちゃんは全部知ってて、
恭平さんのためを想って、私に彼と一緒になるよう言ったんだね…。
もう…、
ユキちゃんてば、やさしすぎるよ…。
そんなユキちゃんの気持ちを知ったら、
私、恭平さんと結婚するしかなくなるじゃない…。