初恋グラフィティ

その晩。


いろいろ考えて眠れなかった私は、何となくキーコにメールしたくなって、携帯電話を手に取った。



夜も遅かったけど、キーコはまだ起きてるはずだと親指を動かしてみる。




[キーコまだ起きてた?ごめんね、こんな遅くに。
私ね、今日あれから恭平さんに会いに行って来たんだ。
そしたら恭平さんの実家に行くことになって、彼のお母さんにも会って来ちゃった。
恭平さんのお母さん、私がお嫁さんに来てくれるって信じてるみたいで、何か申し訳なかった。

あとね、帰りに家の前で偶然ユキちゃんにも会ったんだけど、ユキちゃんが私に恭平さんと一緒になれって言ったのは、恭平さんのお母さんがガンだってことを知ってたからみたい。
もう、ユキちゃんやさしすぎだよ…。
私、どうしたらいいと思う…?



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