初恋グラフィティ
ユキちゃんが考えていることはよくわからなかったけど、
恭平さんと一緒になることを決意した私としては、
ユキちゃんのこの行為(好意?)をどう受け取ったらいいかわからなかった。
それでもユキちゃんは毎朝私が家を出る時刻にガレージから車を出してきて、
以前のように「乗れよ」と声をかけてくれた。
その笑顔は私がずっと好きだったもので、
こんなふうにやさしくされると、私は彼の申し出をどうしても断ることができなかった。
恭平さんとは時々連絡を取って、ふたりで会ったりお母さんと3人で会ったりしていたけれど、
こう毎日ユキちゃんと顔を合わせてると、
自分はまだユキちゃんに未練があるんだってことを痛感せずにはいられなかった。