初恋グラフィティ
「本当だよ…。信じる信じないは君の勝手だけど」
私が何も言えずにいると、
恭平さんは人の携帯電話を勝手にいじり、
「志保ちゃんの番号見っけ…。えーと、080…」
そう言いながら、左の手の甲にメモを取り出した。
そして私に携帯を返してから、
「これ俺の携帯番号。またあいつの情報が欲しくなったらいつでも連絡して…。あ、でも生理のときは避けてな」
とお店の名前が入ったメモに11ケタの数字を書いてよこした。
「結構です…!」
私はメモを受け取らずに割引券を出すと、お金を払ってすぐ店を出た。