初恋グラフィティ
04 衝撃の事実

その晩。


私は夜中を過ぎてもなかなか寝付けなかった。



ベッドに横になると、今にも恭平さんのタバコの匂いと体の重みが蘇ってきそうで怖かった。




仕方ない、眠くなるまで起きてるか。


何か音楽でもかけて気分転換を図ろう…。




そう思ってCDを選んでいると、


部屋の隅に置いてあるジャンガリアン・ハムスターのケージの中から、何だかにぎやかな声がした。




どうしたんだろ…?






ケージにかけておいたバスタオルを剥がすと、


2匹のハムスターがせわしく動き回っている中、


おがくずだらけの家の中から、ちっちゃな赤い物体が2〜3個顔を覗かせていた。




うわ…。


もしかしてハムスターに赤ちゃんが生まれたのかな…?




お世辞にもまだかわいいとは言えなかったけど、それらはとても小さな声で鳴いていた。



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