初恋グラフィティ
18 運命の朝

結婚式当日。


両親は挙式時間に間に合うよう後から来るというので、


私はひとりタクシーに乗って、早々と挙式会場である市内の神社へ向かった。




3月の終わりと言っても私の町は桜の季節とは縁遠くて、


タクシーの窓から外を覗くと、まだあちこちに黒っぽくなった雪の残骸が残されていた。



空もどんよりしていて、まるで私の心を表しているようだ。




天気予報では午後からまた雪が降るとのこと。


何だか出端をくじかれる思いだった。






…でも、


今日はおそらく人生でたった1度っきりの結婚式。




笑顔で臨まなきゃ…、


ね…?




じゃないと、


天国で見守ってくれている恭平さんのお母さんを悲しませることになるだろうし、


せっかくの花嫁姿も台無しだよ…。



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