初恋グラフィティ
とにかく、
気をしっかり持って頑張らなきゃ…。
心の中で一生懸命自分を励ましていると、タクシーはすぐに神社へ着いた。
会場に入った私は、早速控室で年配の女性スタッフから恭平さんのお母さんの黒引きを着せてもらった。
下腹部に負担がかからない程度に帯を巻かれ、
随分濃い目の化粧を施され、
頭には時代劇で見るような重いカツラと角隠しをかぶせられた。
着付後、鏡に映った私の姿は、私のようで私じゃないみたいだった。
妊娠は既に6ヶ月目に入っていたけど、お腹はまだそんなに突き出ていなかったので、何とか見れる格好ではあった。