初恋グラフィティ
「こないだ母さんの部屋を整理してたら、母さんの日記を見つけたんだ…」
恭平さんは所々に付箋がついた分厚い日記帳を取り出すと、それを私に差し出した。
「この付箋がついてるとこ4日分なんだけど、志保ちゃんのことが書いてあったからちょっと読んでみて」
「えっ…、いいの…?」
恭平さんがうなずいたので、
私はそれをこわごわ受け取り、テーブルを挟んだ彼の向い側のソファに腰掛けた。
付箋がついているページを前の方から順に開いてみる。
するとそこには恭平さんのお母さんの心が率直に綴られていた。