初恋グラフィティ

気がついたら私は音楽室を飛び出して、普段は出入り禁止と言われている屋上に上がっていた。




深呼吸して、呼吸をゆっくり整える。



きのう恭平さんにされたいやらしいことが頭をよぎった。




どうしてみんな、ああいうことをするのかな…。




そりゃ私だって、ユキちゃんとならしてみたいとは思わなくもないけど、


きのうの感じだと、エッチするってあんまり楽しいことじゃないよ…。






曇り空をぼーっと見上げていたら始業5分前のベルがうるさく鳴ったので、


仕方なく私は教室へ戻ることにした。




…けど、


授業が始まっても全てが身に入らず、先生達の話は上の空。




ハムスターの話からユキちゃんに近づくきっかけを得て、本当なら飛び上がりたいほど嬉しいはずなのに、


きのうから理解し難い大人の世界を知ってしまった私の脳は、ショックから活動を停止していた。



< 42 / 393 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop