初恋グラフィティ
4時間目の芸術の時間。
いつもは楽しい音楽の授業も、今日は全然楽しくなかった。
みぽりんの顔がちゃんと見れなかった。
彼女は胸元が大きく開いたニットに膝丈のスカートをはいていて、私の余計な想像を更に激しくさせた。
昼休み。
私は教室でキーコとお弁当を食べていた。
「志保、あんた今日どうかした…?何かいつも以上にぼーっとしてるじゃん」
箸が進まない私にキーコが言った。
「え…、そう…?」
「うん。何かあった…?」
さすがにきのうのことや今朝のことを話す気になれなかった私は「別に、何もないんだけどね…」とごまかしてみた。
けれどキーコは鋭くて、こんなことまで言い出した。
「そう言えば志保、きのうユキちゃんの親友が勤めてる美容院に行くって言ってなかったっけ…?」
「えっ…?」
「何…?ホントに行ったんだ…?」
「あ…、うん…」
「へー。それでその親友から何か聞き出せたの?」
「えっ…」