初恋グラフィティ

私はとっさに嘘をついた。




「ううん…。結局恥ずかしくて何も聞けなかったんだ…。毛先だけ切ってもらって帰って来ちゃった…」


「そっか…。それは残念だったね」




キーコは何も疑わなかったので、私もそれ以上何も言わなかった。




「こうなったら、あとはユキちゃん本人に直接聞くしかないね」




キーコは相変わらず他人事のように言う。




私だって最初からそんなことできてたら、こんなふうに悩んでないんだけど…(泣)。






結局私は1日をぼーっと過ごしたあげく、部活も休んで早々と家に帰ることにした。


みぽりんと顔を合わせるのも何だったし、心ここにあらず状態でいい歌を歌えないことは自分でもよくわかっていた。



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