初恋グラフィティ
帰宅後。
私は部屋へ直行し、着替えを済ますとそのままベッドに倒れ込んだ。
何も考えたくなくてただ目を閉じていたら、
枕元の携帯電話が鳴って、ディスプレイに知らない番号が表示された。
誰だろう…?
とりあえず通話ボタンを押してみる。
「はい…」
〈あ…、志保ちゃん…?〉
それはきのう嫌というほど聞かされた、恭平さんのいやらしい声だった。
〈きのうはごめんね、遅くまで引き止めちゃって〉
…きのうの悪夢が蘇った。
〈ねえ、俺今日仕事休みなんだ…。もしだったら学校終わってから会わない…?幸男のこと、もっといろいろ教えてあげるからさ…〉
「……」
〈どう…?〉