初恋グラフィティ
「やっぱり…」
深いため息が出た。
私は泣きそうになるのをこらえながらたずねた。
「あの…、どんな人なんですか…?その…、ユキちゃんの彼女って…」
恭平さんは私の顔を覗き込むと、再びにやっと笑った。
「聞きたい…?」
「はい…」
私はうなずいた。
「でもさ、恋敵の話なんて聞いたってどうにもならなくない…?」
「けど、やっぱりユキちゃんがどんな女の人が好みなのか知りたいし…」
すると恭平さんは私の右腕を軽くたたいて言った。
「じゃあ、うちにあいつの彼女の写真があるから見ていく…?」
え…?
「ホントですか…?」
「ホントだよ」
恭平さんはまたしても不思議な笑顔を見せた。