初恋グラフィティ
結局、恭平さんの部屋へ上がることになった私。
「おじゃましまーす…」
おそるおそる入った恭平さんの部屋は何だか物がいっぱいあって、少し散らかっている感じがした。
台所には出しそびれたようなゴミ袋が並べてあって、流し台には洗い物がひしめき合っている。
恭平さんが適当に座っててと言うので、手前の部屋のテーブルの前で座って待っていると、
彼は奥の部屋から分厚いアルバムを1冊持ってきてくれた。
恭平さんはそれをテーブルの上に置くと、勝手に見ていいよと言って、台所の換気扇の下でタバコを吸い始めた。
私はすみませんと頭を下げると、そのアルバムの表紙をゆっくりめくった。