初恋グラフィティ

「実は私、ユキちゃんと家が隣同士で…。あ…、ユキちゃんてのは香田さんのことなんですけど、こないだ彼から先生とお付き合いされてるって聞いたんです…」


「え…?」




みぽりんが口もとをゆるめた。




「何だ…、そうだったの…。案外世の中って狭いのね」




みぽりんは何かに感心したように笑ったけど、その笑いは何となく私の癪に障った。






「でも、先生は柏田先生ともお付き合いされてるんですよね…?」




怒りを抑えつつそう聞くと、




「何…?あ…、2年生のウケウリね…?」




みぽりんは再び笑った。




「違います」




私はすかさず否定した。




「私…、前にも先生と柏田先生が一緒にいるのを見たことがあるんです…。それに、ふたりが音楽準備室でこっそり会ってたことも知ってます…」


「え…?」


「それってやっぱり、先生がユキちゃんと柏田先生に二股かけてるってことですよね…?」







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