初恋グラフィティ

みぽりんは一瞬口をつぐんだけど、すぐに開き直ったように私に聞き返してきた。




「だから何?」


「え…?」


「さっきから志保、ひとりでいろいろ言ってるけど、結局あんたの悩みは何なわけ…?」


「えっ…」


「志保がたるんでる理由と、…っていうか、志保の悩みのタネと私の恋愛話は関係ないでしょ…?」


「それは…」




急に責められ、頭に血が上っていくのがわかった。




「おっ…、大いに関係あるんです…」




みぽりんが首をかしげた。




「どうして…?」


「それは…」




…乗りかかった船だ。



私は恥を捨てて言った。




「私…、私がユキちゃんのこと好きだからです…!」


「え…?」




みぽりんは目を白黒させた。




「でも、ユキちゃんは先生のことが好きみたいだし、先生は柏田先生のことを好きみたいだし…、私、もうどうしたらいいかわからなくて…」




私はいつの間にか泣き出していた。



< 89 / 393 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop