初恋グラフィティ

「志保…」




意外にもみぽりんは、




「ねえ、心にためていたこと全部話してごらん…?」




そう言ってポケットティッシュを差し出してくれた。




結局私はみぽりんに、ユキちゃんとの経緯を全て話すことになった。






「そうだったんだ…」




話を聞いたみぽりんはため息をついた。




「ごめんね…。志保がそんな状況にいたなんて、私全然知らなかったから…」




みぽりんは少し時間を取ると、何かを決意したように言った。




「わかった…。私、香田くんとは別れるわ」




え…?




「彼、真面目すぎてあんまり面白くないのよね…。最初はちょっといいかなって思ったんだけど、最近何かつまんなくて…。私としてはもっとワイルドな人の方がいいって言うか…」




…そんなぁ。



そんなこと言ったらユキちゃんがかわいそうだよ…。




「だから香田くんは志保にあげる…。これからは柏田先生一筋でいくわ」




えっ…?



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