きみと見た空の色
 (はく)ちゃんが大好き。
 この想いはきっと変わらない。
 ずっとこの先、白ちゃんの気持ちが変わらなくても、わたしは彼が大好きだ。
 いつか白ちゃんに本当に大切に思える人ができて、彼を諦めるしかなくなる日がきたとしても。その日まで、わたしは白ちゃんのそばにいる。
 わたしは白ちゃんが好き。大好き。
 あの薄紅があたりを染める春の日、散りゆく桜の花びらを見つめ、悲しそうに涙を流していた白ちゃんを目にしてから、吸い込まれるように彼から目が離せなくなった。
(泣いているのに、美しい…)
 その空間だけが、まるで別の世界のように思えた。わたしの中で、音が止まる。
 隣のクラスの人だ、と思ったときから、もうわたしは彼のことしか考えられなくなっていた。あのとき、わたしは恋に落ちた。そんな表現が、きっとしっくりくる。
 白ちゃん。
 なにがあったの?
 ずっとずっと聞きたかった。
 でも、わたしにはそれを聞く権利がない。心を開いてもらえないうちは、たとえ大好きな相手でも深く立ち入ることはできない。それはわかりきっていること。
 それに、白ちゃんはきっとわたしには悲しいことは言えないと思う。出会ってから今まで彼の前でそんな空気を作ることがわたしにはできなかったから。
 それでも、それでもきっといつか、あなたの心の支えになれるような人になりたい。

 私はそう願い、今日もまた明日に向かって新しい一歩を踏み出す。
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