骨の髄まで愛してやるよ【メイン更新中】
――あれから十二年の月日が経ち、私は高校ニ年生の十七歳となっていた。
環境もあの裕福な頃とは一変した。
私、姫宮ちぎは有名な化粧品会社の社長の娘、つまり令嬢『だった』。
ここ数年、会社経営が上手くいっていなかったらしく、私達、姫宮家一家はパパの多大な借金のせいで、夜逃げをするハメになってしまった。
会社の経営が上手くいっていないのに、上手くいっているフリをしていたらしく、消費者金融や銀行に返済するべく闇金に手を出し、そこからまた借金をしたらしい。
当然返せるワケもなく、億という恐ろしい額にまで膨れ上がった借金に、我慢を切らしたママとパパは私を置いて逃亡した。
私は二人から捨てられたも当然だ。
手で口を抑え、声が出ないように強く唇を噛む。
奴らが通り過ぎた数分後、秦さんにまた強く手を引かれ、走り、居合わせたタクシーへと乗り込んだ。
怖い、恐い、コワイ………
ガクガクと、震える体が止まらない。
私はこれからどうなってしまうのだろう。