The tear
「ごめんなさい。助けてくれたのにお礼も言わなくて、いじめられている紺野くんを見て見ぬふりしてた。私も傍観者で、本当に最低。あの時助けてくれた紺野くんは、私にとってはヒーローで、この人が困っている時は助けたいって思ってたはずなのに……」
三葉が頭を下げる。しかし、いじめられていた辛い日々がなくなるわけではない。その記憶が楽しい青春の日々に変わるわけでもない。空は包丁を出そうとかばんの中に手を入れる。
「やめて!紺野くんは私を助けてくれたヒーローだよ。なのに、悪魔だってみんなから言われるようなことをさせたくない」
「都合良すぎんだよ!今まで、見て見ぬ振りをしてたくせに、僕を助けようとなんかしなかったくせに!全員、大嫌いだ!この世界なんて滅びればいい……」
空の頬を涙が伝う。手が大きく震え、朝の二人きりの教室に鼻を啜る音だけが響く。
その場に座り込んでしまった空に三葉はゆっくりと近付く。そして、空の体はふわりと優しい温もりに包まれた。
三葉が頭を下げる。しかし、いじめられていた辛い日々がなくなるわけではない。その記憶が楽しい青春の日々に変わるわけでもない。空は包丁を出そうとかばんの中に手を入れる。
「やめて!紺野くんは私を助けてくれたヒーローだよ。なのに、悪魔だってみんなから言われるようなことをさせたくない」
「都合良すぎんだよ!今まで、見て見ぬ振りをしてたくせに、僕を助けようとなんかしなかったくせに!全員、大嫌いだ!この世界なんて滅びればいい……」
空の頬を涙が伝う。手が大きく震え、朝の二人きりの教室に鼻を啜る音だけが響く。
その場に座り込んでしまった空に三葉はゆっくりと近付く。そして、空の体はふわりと優しい温もりに包まれた。