夏の風
“そんなことないよ”
って言ってあげたかったけど軽々しい気がした
丈流くんは長い間、この問題できっと苦しんできたはずだから
あたしが、力になってあげたい
あたしで役にたつなら
あたしは悪い頭をフル回転させながら言葉を探した
「丈流くんは逃げてるわけでも、弱いわけでもないと思う
ちゃんと向き合ってるからこそ、そんな風に悩んでいるんじゃないの?」
「亜耶…良いこと言うな〜!」
そう言いながら丈流くんはあたしの頭を撫でた
「もうっ!真剣に考えて話してるんだけど!」
「わかってるよ…ありがとうな」
って優しく笑う丈流くんの顔は絶対反則だ
あたしは目を逸らせなくなる