夏の風


駅に着きロータリーに向かい丈流くんを探す… 


あれ?いないじゃん 



見えるのは明らかに丈流くんとは違うバイク姿の人 


よ〜く見ると…パシリのヤスくんだった 



「ヤスくんが来てくれたの?」


あたしはヤスくんに近き恐る恐る聞いてみた  


「あ〜…うん…」



「そうなんだ…」


あたしは丈流くんじゃなくてガッカリしたけど、せっかく来てくれたヤスくんに悪い気がして 



「ありがとう」


と言ってバイクの後ろに乗った 


丈流くんとは違う背中、匂い、風… 


あたしの不安な気持ちを余所にヤスくんのバイクはシンくんの家に着いた 



「まだ皆来てないの?」


シンくんの家の周りにはいつも沢山止まってるバイクも車もなかった 






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