夏の風


丈流くんはあっさり答えると3台ある車の中でも一番高そうな車のドアを開けた 


「亜耶?乗って!」



「うん…って!丈流くん免許もってるの?!」


「当たり前だろ?」


「だって…車運転するの初めて見る」


「あぁ、いつもバイクだからな。
地元にいる時は車だと止める場所ねぇから、バイクで行動してるんだよ」


なるほど!! 


今更納得した 


「わかったんなら、車乗れよ」


「あっ!はい!」


あたしは慌てて助手席に乗った 



初めて乗る車 


バイクとは違う丈流くんの匂い 



「でも…何で急に車なの?」



「亜耶を家まで送る」


「えっ?いいよ…遠いし」


「今日は特別だよ。気にすんな」



丈流くんの優しさにあたしはまた泣きそうになった 





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