夏の風
河川公園の駐車場はサスガに閉まっていて入れないから公園の入り口近くに車を止めた
あたし達は外に出て河川公園内のベンチに座った
辺りは暗く、遠くに街灯があるだけで一人じゃとても怖くて来れないところだ
丈流くんはポケットからタバコを出すとゆっくり吸いはじめた
そんな丈流くんの動作も流れる沈黙もあたしには心地よかった
川から生暖かいような涼しいような風が上がってくる
この川はあの川に続いている
丈流くんの地元を流れる
あの川に
「亜耶…」
あたしの好きな沈黙を破り丈流くんが話しだす
「…何?」
「もう…誰に誘われても来るな」
あぁ…やっぱり沈黙の方が良かった
聞きたくない一言