夏の風


「でも…行かなきゃ丈流くんに会えない…」



「今回はたまたま助けてやれたけど、次はわからねぇ


俺が亜耶を守れるなら良いけど俺じゃ、亜耶を守り切れない

それは…わかるだろ?」



あたしは小さく頷いた 


わかってる…だけど丈流くんに会えなくなるのは何より辛い


例えどんな目にあっても、丈流くんに会いたい… 




あぁ…そっか…この捨て身の思いに付け込まれるんだ 



「亜耶には幸せになってもらいてぇんだよ

俺ごときで人生おかしくするなよ」


丈流くんはタバコを地面でもみ消しながらため息のように煙を吐いた 





もしかしたらあたしの想いは丈流くんに迷惑をかけているだけなのかもしれない 





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