夏の風
陽斗の温もりとメンソールのタバコの匂いがあたしを包み込む
あたしの新しい匂い
これからはこの匂いを好きになっていくんだ
陽斗はあたしから少し離れると
「即答してくれたってことは、亜耶も俺のこと好きだったんだろ?」
と自信タップリの表情であたしに問いかける
どんな表情でも、陽斗はかっこいい
「……うん…まぁね」
好きだったか?と聞かれてもわからないからあいまいに返事をする
「一応…言っとくけど、俺が亜耶と付き合いたいと思ったのは顔とかじゃないから、性格が良いから付き合おうと思っただけだから」
ニッコリと笑顔で、亜耶は顔が可愛いわけじゃないけど性格で付き合ったとハッキリ言われているようなものだった
あぁ…かっこいい男特有のプライド
《告った女に振られたことは一度もない》
と前に言っていた陽斗の言葉が耳にこだまする
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