夏の風


陽斗との付き合い方は高校生同士とはいえ、ちょっと変わっていた


何しろ、陽斗は昼間は働いていて夜は定時制高校に通っている


平日に会えるのは、夜の9時過ぎ


夜9時過ぎに家を出て会うのは中々大変だった




「亜耶!!こんな時間にどこに行くんだ?!」


陽斗に会うため、コッソリ玄関で靴を履いていたあたしに、お父さんの怒鳴り声が落ちてくる



「ちょっと、友達が近くまできてるから会いに行くだけ!
すぐ帰るから!」


あたしは言いながら玄関を飛び出した






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