夏の風
ファーストキス
バイクはしばらく走ると小さな酒屋さんの前に止まった
エンジンを切り、丈流くんがバイクから降りる
あたしも慌ててバイクから降りた
「ねぇ?未成年なのにお酒売ってもらえるの?」
「あぁ、心配いらねぇよ、ここの店員知ってっから」
「そうなんだ…」
あたしは背の高い丈流くんの後についてお店の中に入った
お店はかなり古くて小さい酒屋さんだった
「いらっしゃいま…あっ…こんちはっす…」
「よぉ!しっかり働いてっか?」
丈流くんは高校生位の店員の男の子に声をかけると、カゴを持って奥へ向かった
缶ビールを数本取りカゴに入れる
「亜耶、何飲む?」
「へっ?」
突然名前を呼ばれ驚いて変な声を出した
「何、色気のねぇ声出してんだよ、酒!ビールじゃイヤだろ?」