夏の風
初めては…ヤッパリ痛くて気持ち良いとかそんなのとは程遠い気がした
満足そうな陽斗の腕枕であたしはチクチクする痛みを感じながら、満たされない心と戦った
「あっ…言い忘れてた!亜耶、誕生日おめでとう」
もう寝たかと思った陽斗の突然の言葉に罪悪感がよぎる
「ありがとう…」
「今日、楽しかったか?」
「うん…またディズニーランド行きたいな」
「そうだな」
陽斗は薄暗い室内でもハッキリと見える整った顔を崩してニッコリ笑った
その笑顔を見て胸がキュンとなる
ちゃんと陽斗を愛さなきゃ
心から…
そしてそんなあたしの純粋な思いは初体験の夜、陽斗の心無い一言で再び音を立てて崩れる
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