夏の風


「陽斗が沙耶のことばかり言うのは本当にイヤだし、あたしはきっとまだ丈流くんにも未練があると思う…でもやっぱり…あたしから別れを切り出すなんて出来ないよ…」



「フゥ〜…お前も案外お人好しだな!」



「あたしもぉ〜別れたほうがいいと思うよぉ〜!」


今まで黙って飲んでいたマキが突然喋り出した



マキはかなり酔っ払っていて目が虚ろだった



「だろ〜?お前もたまには良いこと言うなぁ〜!」




二人は意気投合して更にお酒を飲み出した




「それにしても陽斗遅くない?」



あたしが心配して探しに行こうとすると



「ほっとけ!ど〜せその辺で寝てんだろ?」



コウキはなんだかブツブツ言っていたけど、やたらな所で寝てられても困るからあたしは陽斗を探しに行った






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