夏の風
真っすぐに、丈流くんに見つめられて顔が真っ赤になった
でも、薄暗い橋の下だから丈流くんは気付かれないですむ
あたしは手元に返ってきたお酒をゴクゴク飲んだ
フト見ると丈流くんはもう3本目の缶ビールを開けていた
「お酒、強いんだね〜」
「毎日飲んでるからなぁ」
「そうなんだ…」
考えてみれば、丈流くんとは今日会ったばかりでまだ何も知らない…
「あたし!丈流くんに聞きたいことが沢山ある!」
お酒も手伝い、あたしはかなり積極的だった
「沢山?…何だよ」
「えっと、背高いよね、何センチ?」
「180センチ」
「うわぁ…おっきい」
「そうか?」
「あと…仕事してるの?」
「うん、大工。オヤジが大工やってっから」
「へぇ〜じゃぁ、跡継ぎなの?」
「跡継ぎ…ってか…ん〜まぁそんなもんか」