夏の風


『ピ〜ン、ポ〜ン』





結局…手ぶらで来ちゃったし…



「ハァ…」



「そんな緊張することねぇぞ」




いや…緊張とかじゃなくて…



やっぱり迷惑なんじゃ…



「は〜い」



ガチャ…



と、玄関に現れたのは意外にも綺麗なお姉さんだった



「ヨォ!!」



「あら?丈流くん…ヤスなら今出かけてるけど?」



「いいんだよ、あいつに用があるわけじゃない。ナナさんに会いたいって亜耶が言うから」



と、丈流くんはあたしを振り返った




「えっ?あたし??」



突然言われ、意味がわからなかった



でも、当のナナさんは満更でもないらしく



「何にも無いけど上がって」



と、笑顔であたし達を上げてくれた






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