夏の風



ジューッ、ジューッ…



と美味しそうな匂いが部屋の中に広がってきた



「あたしも料理出来るようになりたいな」




「大丈夫だよ!歳とれば作れるようになるって!」



「歳の問題なの?」



「だってよ…ナナさん、俺らの5個上だぜ?」



丈流くんがヒソヒソとあたしの耳元で囁いた



「そうなの?」



驚いたけど、あたしも小さな声で問い返した




「じゃなきゃ、ヤスなんかとうまくいくわけねぇだろ?」



「そう…かな?」



「そういうもんだ」



「ふ〜ん…」




「おまたせ〜!」



あたし達の失礼な会話をナナさんの美味しそうなチャーハンが遮った







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