夏の風
「丈流くん…じゃぁ…結婚しないの?」
「あぁ…亜耶…俺に必要なのはお前だけだ
会えなくなってから、ずっと苦しかった」
「もう…あたしだけの丈流くんに…なるの?」
あたしの頬に置かれたままの丈流くんの手に自分の手を重ねる
「亜耶に拒否されたらどうしようかと思いながら、ずっと待ってた…
もちろん、何が何でも奪うつもりで来たけどな」
この笑顔がやっとあたしだけのものになる
丈流くんの胸にそっと顔をうずめる
丈流くんがあたしをしっかりと抱き締めてくれる
夏の始まりの風に乗って理央ちゃん達の『キャー』と言っている声が運ばれてきた
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