夏の風
丈流くんに彼女がいるって聞いても、それでも会いたかった
付き合えなくても良い
ただ、あの笑顔を見たい
会って話がしたい
ただ、それだけ
それだけだから
二度と会えないなんてあたしには考えられなかった
「毎週、土日はウチかヤスの家で飲み会やってるから、亜耶ちゃんさえ良ければいつでもおいでよ」
シンくんはあたしの気持ちを察し、優しく声をかけてくれた
「うん、来る!ありがとう」
「亜耶…」
サキは心配そうな顔であたしを見つめていた
サキ、心配かけてごめんね…でもあたし恋しちゃったんだ
夏が始まったばかりの昨日
丈流くんに恋しちゃった