夏の風
丈流くんはそこまで話すと小さな溜め息をこぼした
あたしは丈流くんの溜め息があまりにも切なくて、思わず丈流くんの顔を見上げた
でも…丈流くんはただただ遠くを見つめていて、心ここにあらず…
あたしがこの話しを聞いてて良いのかな…
丈流くん…本当は話したくないんじゃないのかな
どうしたら良いの…
あたしの不安を打ち消すように丈流くんはまた話し始めた
「優里は退院後、何もなかったかのようにいつも通り、俺の彼女としてふるまっていて…
俺にはそれが負担…だったのかもしれねぇ…
俺はまた別れを切り出した
そして…優里はまた…
手首を…切った…」