夏の風


丈流くんはそこまで話すと小さな溜め息をこぼした 


あたしは丈流くんの溜め息があまりにも切なくて、思わず丈流くんの顔を見上げた 



でも…丈流くんはただただ遠くを見つめていて、心ここにあらず… 



あたしがこの話しを聞いてて良いのかな…



丈流くん…本当は話したくないんじゃないのかな 



どうしたら良いの… 



あたしの不安を打ち消すように丈流くんはまた話し始めた 



「優里は退院後、何もなかったかのようにいつも通り、俺の彼女としてふるまっていて…

俺にはそれが負担…だったのかもしれねぇ…

俺はまた別れを切り出した


そして…優里はまた…


手首を…切った…」






< 99 / 279 >

この作品をシェア

pagetop