ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

5組の前のドアから様子をうかがうと、入口近くにモモを含めた4人の女子が楽しそうにしゃべっていた。

耳に飛び込んできたのは、愛しいモモの声。


「ぶっぶー!」


クイズでも出しているんだろうか。

モモが得意げに、指でバッテンを作っている。

なんかやけに楽しそうだな。

俺がいないクラスで楽しそうに過ごしてるのは微妙だけど。

ふわふわな笑顔を見ている男どもがいないか目を走らせる俺は、きっと怪しい奴だろう。


「えー、わかんないよ~。チンアナゴでしょ?」


……プッ、ここでも抱き枕の話してんのかよ。

幼稚なやつ。

けど、そんなモモはやっぱりかわいい。

家でもめためたに甘やかしてやりたいのに、モモは毒舌な男が好きなんだろ?

そんなことしたら、気持ち悪がられるだけなんだろうな。
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