ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
──ガラッ。
中に誰もいないのを確認してドアを開けたのは自習室。
ここみたいに、特進クラスの奴だけが使える施設がたくさんあって。
そこに大っぴらに立ち入らせないようにするための策とも言われている。
室内に入れば、ついたてのある自習スペースが広がる。
椅子も教室仕様ではなく、背もたれや高さも自由自在に動かせる疲れにくいも
の。
さらに奥に行けば、個室スペースもあり、俺はそこのドビラを開いた。
2畳くらいの狭い密室に二人きり。
モモを押し込め、キャスター付きの椅子に座らせた。
ギシッと音を立てながら勢いよく座らせられたモモは、頬を紅潮させながら俺を見上げる。
「言ったよね。学校で言わない方がいいって」
未だ驚き顔のモモに、よーく言い聞かせる。
「な、なにが?」
「チンアナゴの名前。学校で言うなら改名して」